ゲイザム

それは小さな願いでした……あの頃ドラグナーのプラモデルファンの半分以上は「ゲイザムをキット化してくれ!」とバンダイに心の声を送り続けていたのです……

実際、ゲイザムがキット化されなかったのは既に放映スケジュールも後半に入っていた、というタイミングが悪かったのと、シリーズの売り上げ実績があまり芳しくなかったからなのだろう、と思う。1988年当時のバンダイとしては一番売れて欲しいのは『逆襲のシャア』シリーズであり、ドラグナーの他にも『センチネル』などといったものがあって内部での調整が結構難しかったのではないのか?とも想像する。

カッコ良さで言ったらドラグナー1、ファルゲンに次ぐデザインだろうと思うのだが(顔だけ見るとヒーロー顔だし)、地味な濃緑色ほぼ一色で塗られたことからもわかるように結局「ゲストメカ」以上の扱いではなかった訳である。今、もし『ドラグナー』が新作アニメとか実写版劇場映画、あるいは「スパロボ大戦」以外の新作ゲームで蘇ったりしたらバンダイも何らかの商品化を考えるのかもしれないが……

模型だが、300円級ガシャのカプセル、ブった斬ったCDケースを両肩アーマーにしているために全体的ボリュームというか空間占有面積が大きくなってしまっている。この肩アーマーは取り付け軸を設けて取り外しは可能だが、正直言って動いたからと云って大きな効果がある、という訳ではない。重すぎて既に脚だけではなかなか自立できなくなっており、この肩アーマーの下端部が接地することでようやく立っていたりする。

マジンガーZや巨神ゴーグのような、頭頂部に人が立てそうなデザインもカッコいいが、それ以上に大きいのは青龍刀の魅力だろう。思えばグフも青龍刀のようなサーベルを持っていたが、ゲイザムの場合、パイロットがパイロットだけにランバ・ラルのグフより一層ワイルドな印象が増している。この青龍刀もちゃんとプラ板を重ね、パテなどで整形してキチンと作れば良かったのだが、CDケースで形だけ作って満足してしまった。本当に6体も同時進行で作ったりすると、色々な所が手抜きになってしまう。

頭は基本的にプラ板とランナーの塊(ポリキャップ内臓)、胸、腕の付け根の軸はランナー、股関節はHGザク(陸戦ガンダムとセットになっていたもの)、脚全体はマスターガンダム、肩・上腕がシュピーゲルガンダム、下腕がHGザク、という組み合わせになっている。

「確か胸にミサイルがあったよな!」と思ったのでラフスケッチ段階から右胸にミサイルを描いているが、これが大きな勘違いで、胸からミサイルを出すのは後半のボスメカ、ギルガザムネの方であった。しかし、設定のゲイザムの胸は特に面白い形をしている訳でもないので、思い付きのままミサイル5発をランナーとサポートパーツから作って取り付けてある。

左腕に巻いている予備弾帯は伸ばしランナーを0.2ミリ透明プラ板の上に根気よく貼り付けて作った。一個一個が細すぎの感があるが。

88年当時の模型誌ではこのダインやファルゲンのパーツを加工しまくってゲイザムの形を作っていたが、もはや数えるのもいやな程種類が増えまくったガンプラを根気よく見てパーツを探してゆけば、今だったら昔より簡単にミキシングビルドできるのではないか?と思う。

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